ホテルレポート
【立地】☆☆☆☆☆
東京駅丸の内北口、目の前。ショッピングモールOAZOの上層階に位置する。立地条件は非常に良い。
【料金】☆☆☆
高級ホテルは宿泊料が高いのは当たり前。要は値段と内容が一致しているかどうか。そういう意味に於いてはほぼ妥当かまたはもう少し安くてもよいというレベルであろう。今回の利用は高層階であるコンフォート・フロアのシングル・ルームで1泊約27,000円。
【接客】☆☆☆☆
コンシェルジェ、ベル、フロントを全て若い女性で固めた布陣は特異であるが、まずい作戦ではない。場所がらビジネスユースが多いであろうし、にこやかな若い女性を嫌う男性は少ないであろう。リクエストに健気に応えようとする姿勢は好感が持てる。しかし頼りがいのありそうなベテラン男性スタッフには高級感を演出する効果もあるはずだ。
【パブリックスペース】☆☆☆☆
フロントの雰囲気が良い。壁や絵、置物のセンスが光る。ビル7階ながら庭もある。吹き抜けには染め物作家による作品が掛けられ、廊下には格子戸風の飾りといった和のテイストが良い。カードキーを差し込まないと動かないエレベーターのセキュリティは良い。しかしエレベーターの待ち時間は少々長い。
【部屋】☆☆☆
東京都のこの場所にしてはがんばったと言える広さ。さらにベッド上部の天井に丸みを持たせ間接照明を使うなどの方法で実際よりも広く見せるテクニックが上手い。和の要素を取り入れたベッドサイドの飾りや絵、取っ手が付いて動かしやすいデスクチェアー、AQUOSの液晶テレビ、アナログの目覚まし置き時計などの調度品が良い。SIMONS製のベッドの寝心地はとても良い。防音が優れており廊下や隣室の音は全く聞こえない。今や必須であるインターネット高速LANはもちろん無料。しかし東京駅を眼下に臨む眺望は、電車マニア以外にはあまり興味のわくものではなさそうだ。サニタリー・ルームは減点の対象になる。このクラスのホテルにしては狭く、バス・トイレ・洗面が同室。浴槽はラウンドした形状で、珍しいバス枕もありその点は良いとしても、洗い場が無い。またシャワーの水量不足は痛い。アメニティはホテルオリジナルなので高級感に乏しい。
【レストラン】☆☆
メインレストランであるフランス料理店「ポム・ダダン」でディナーをした。コースには約9,000円と13,000円のものがあった。ミクニで修行したシェフによるそれなりにオリジナリティのある料理は悪くない。だが如何せん給仕のレベルが低い。見かけ上は感じがよいのだが真の丁寧さがない。コンシェルジェを通して予約を入れて出かけたのだが、入り口で出迎えがない。こちらから呼び止めて予約の旨を告げると笑顔で、お待ちしておりました、とのこと。お待ちしていたのなら出迎えろよと。また、注文した料理の説明をする人もいれば、しない(できない?)人もいる(特に女性)。つまり持ってくる人が変わる。テーブルによって担当が決まっていないのも問題。隣のテーブルの人は、あろうことか、注文したまま忘れられていたようで、そのことを訴えてようやく運ばれてきた。申しわけありません、と言っていたが唖然とした。ファミリーレストランじゃないんだから……。さらに食事が終わって会計の伺いに来るかと待っていても一向に来る気配がない。何人もの給仕をちらちら見ているのに気が付かない。しょうがないので呼び止めて勘定を請求する。お客の様子を見てないってことがこのことからもよく分かる。
【総評】☆☆☆
レストランが象徴的なように、真のホスピタリティーというレベルにはまだ遠い。しかし立地も設備もスタッフの微笑みも充分に心地良さを感じさせる。もう一度利用したいと思えるホテルである。
http://www.marunouchi-hotel.co.jp/index.html